2015年1月20日火曜日

ハッピーツリーフレンズについて

僕がこのアニメを知ったのは、1年半前に妹に教えられてだ。

まさに海外といった風な絵のタッチで、かわいいキャラクターデザインとは裏腹に、容赦なく惨殺されるグロテスクな表現をギャグとして使う。いわゆるブラックジョークアニメだ。

ウサギやリスなどの分かりやすい動物のキャラクターたちが登場するのだが、
それぞれに何かしらの障害、コンプレックスがある。

あるものは腕がなかったり、
あるものは潔癖症、
盲目、薬物中毒者、
などなど。

それらを個性とし、これまた容赦なくギミックとして使ってしまう。

ただ、ここを社会的に取り上げるとか、宗教的にとか、そういうことを書きたいのではなく、今の高校生が、このアニメを構造的に捉えて楽しんでいることが面白いと思ったのだ。

このハッピーツリーフレンズ(以下、『ハピツリ』)というアニメは、ひとつのルールを基準に作られているようで、『ハピツリ』のお約束として、どんな死に方をするか、という死因を予想する楽しみ方がある。

落ちていた釘を踏んで足がさけてしまうとか。
ミキサーに巻き込まれてケガをするとか、いろいろだ。
それを予想して、当たっていたり、裏切られたりする。
これが『ハピツリ』における王道のストーリー構成といえる。

ここにも既に裏切りがあり、面白くなるように工夫されているが、『ハピツリ』は、
これすらも実はフリとして使っている。

「誰も死なない回」という裏切り方をする回もあったり、普段の淡々としたものの中に、
様子が違う捻りを加えた回が混ざっていたりする。ひとつ挙げたいのは、この回だ。

http://youtu.be/gtvuQ--z1b0?list=PL19B0B5CCFEF1C0C9

普段の様相とは異なって、序盤にケガをしたキャラクターが死なずに状態を持ち越し話が進む。
既に腕のないキャラクターとの絡みもとてもかわいいし、お約束を知っている人は、
ちょっとワクワクする回だ。

一話完結の構造の作品だからといって、前回までの『ハピツリ』をフリに使って悪い、
なんていうルールはない。同じ絵で、同じキャラクターを使っていても、この作品には
波があって各話ごとに構造が異なり個性がある。

『ハピツリ』を観ていると、自分の中の固定観念というか、
作品の皮ばかり気にして具をちゃんと見れてないんじゃないか、とか。
良いものをきちんと良いと判断できているだろうか、とか。
そんなことを考える。