2017年4月26日水曜日

タイタンの妖女を読んだ

タイタンの妖女というSF小説を読んだ。

読もうと思ったきっかけは、僕が好きなラジオ番組だ。
爆笑問題がパーソナリティーの番組で、たまにゲストを呼ぶ。芥川賞受賞作家とか、押井守とか、いろいろだ。
そのラジオを聴いていて知ったのだが、爆笑問題の所属事務所「タイタン」は、「タイタンの妖女」を大好きな太田光さんがそのタイトルから拝借したらしい。高校生の頃に「タイタンの妖女」を読み、今でも人生で忘れられない作品のひとつとして挙げている。
他にも「ほぼ日」の対談で太田さんがこの作品について語っていたし、新装版に併せて帯や巻末にメッセージを送っている。そうかそうか、太田さんはこの作品が大好きなんだ。

太田さんが大好きな僕は、さっそく図書館に行ってタイタンの妖女を借りようとした。借りる前にまず最初の5ページほどを立ち読みした。

「え?ワケがわからん・・・」

僕はタイタンの妖女を借りもせずに図書館を後にした。そうか。僕にはまだ早いのか。
きっと他のSF小説をたくさん熟読してから読むものなんだな?いま積読している「1984」とか、よく知らないディックだのなんだのを先に読めってことか。ああ、先が長いなあ。

次の日、僕はタイタンの妖女を買った。
何故かというと、例のラジオのゲストのある女性作家さんが言っていた言葉を思い出したからだ。彼女もタイタンの妖女が大好きらしく、太田さんとその話で盛り上がっていた。その中で「最初の50ページは専門用語の解説ですけど、そこを我慢すればもう最高」というような趣旨のことを言ってたな。

僕は我慢した。
50ページは嘘だった。我慢したのは150ページだった。


*    *    *


タイタンの妖女はとんでもない小説だった。
話は荒唐無稽で登場人物にまともな奴は居ない。世界観はめちゃくちゃだし、考えたこともない生き物も出てくる。
時間の概念は難しい。読み終わった今でも頭をひねっている。

でも、最後の1ページを読んだ僕は、これから先の人生、2度3度と読んでも同じ感想を言うと思った。

「僕を見ていてくれてありがとう」って。

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